コラム
さて大したことも書けぬのに、まずは格好から入る癖は治らない。コラムのタイトルを考えてみたが三ヶ月目にしてやっと・・・でもなくふと思いついた。へそ曲がりの私には‘天邪鬼’がいいとひとりで納得。これからこのタイトルでいく所存ですのでよろしくお願いします。
この国と我が国!
前々回の本会議だったか、石原都知事の本会議での答弁だった。『この国と我が国』との表現である。この国とは、司馬遼太郎氏が連載したコラム『この国のかたち』でおなじみである。果たしてその影響か、若手が多い民主党議員はこの国と表現する傾向にあるようだ。
知事はといえば、意識してかせずかはわからない。なるほど文士だけにそれぞれ使い分けているようだ。
今思えば私もこれまで無意識に使っていたが、改めてそれぞれの語彙の定義について考えてみた。浅学の私にはテキスト無くしては人を説得する自信がない。
山本夏彦氏によることにする。
翁は、下谷根岸生まれの東京人である。小気味よく啖呵を切る書きっぷりが好きで愛読している。
曰く、そもそも『この国』と表現
した人々は悉く自国を恥じている。だからこの国と書けば異邦人が我が国を指して言っているように聞こえる。
また、こうも書いている。明治期以降の、地方から出てきた欧米至上の小説家や学生などが我が国というべきときに必ずこの国と書いているのに気づき激怒したと。それが日本のインテリで、奸智である。と手厳しい。
数年前ある野党議員を指して批判したことがある。
『国籍不明の船に乗って日本の沖合いで自国に向かって大声で野次を飛ばしているようなもの』と発言したら、言われたほうは烈火のごとく怒り委員会ががストップしたことを思い出した。
そうは言っても『お前んとこの総裁だって使ってるぞ!』とお叱りを受けそうだ。そういえば何年か前の選挙のスローガンで謳っていた。
大手企業の社長の年頭所感でも、『我が国経済は』という枕言葉も聞かれなくなったとはいえ、さすがに『この会社』とは言わないはず。
外国人が日本を指して言うのであれば理解できるが、やはり日本人であれば我が国と表現するのが適当であろう。
しかし一方では、胸を張り我が国は!と論じるにも、多少の照れと遠慮がある。これも本音のところである。 泉下の翁にどやされそうであるが。
