読書について
誰だったか、読書を登山にたとえて、こう書いていた「山頂を目指すように難解な本に挑み、読破した満足感は登頂した気分のようで、山の頂からは尾根伝いのさらに高い山が一望され、またそれを目指して歩みを始める」と言ったことだったと記憶している。
時間がれば晩酌の次に楽しむのは読書である。寝室の枕元に本を積み上げている。その日の気分に合わせて本を選び寝付くまで読む。いつも決まって『電気スタンドも点けっ放しで!』と宵っ張りの女房の小言を聞きながらまた寝入る。とまぁこれが私の本の読み方。だからプロフィール調査票に趣味は読書と、書き込むのにいささかの後ろめたさを感じながら記入している。その程度の趣味である。 まなじりを決して難解な本に挑むのとは正反対の楽しみ方で、寝付くまでの間、またうまく寝付けないときの読書であり、生活のサイクルに組み込まれている。
読書の楽しみは、時間を越えて文化や人に、自分の都合だけで出会えること。ある雑誌の紹介で、福田恒存先生を知った。福田先生の紹介で小林秀雄先生とめぐり合い、またその紹介で・・・と、いろんな人と知己を得た。そしてその多くは黄泉の人でもある。福田先生もすでに他界していた。最後まで現代仮名使いを拒否し通した人で、全集を揃えたのは福田先生限り。キャビネットでなく、いつも枕元に積み上げてはいるが枕にはしていない。先生曰く、日本人の読書は趣味でなく修養であるといふ。そうなのかもしれない、『茶を点てるのも、花を活けるのも遊びを道にしなければ安心して遊んでいられない民族』だそうである。
先月三十日付けの日経新聞で、行政サービス調査の結果が掲載されたそうで、全国の自治体ランキングの結果出た。区の行事で、区長からその報告があった。前回の七十番台から今回は大幅に躍進して全国で何となんと『五位』だそうである。分野、項目ごとに前回調査から矢印でサービスの水準を表記している。
隣の席にいた議長がにっこり笑って耳元で『教育関係の評価は横ばいとなってたけど、それは今回の調査では読書の充実の一億円がカウントされてなかったからで、本来ならきっと一番だ!』 と
よいことである 素直に手放しで嬉しい。
さて、愚息に読書を実践させなければと自身に言い聞かせたのは良いが、〝わが悪癖は〟と自問しつつ・・・・
